以前、ハードディスクの空き容量が減って来たのでSeagateのBarraCuda、8TBを追加購入し、同じ型番の旧HDDから新HDDにデータ移動してました。
コスパ最強のSEAGATE製《8TB HDD》BarraCudaを追加購入。
4TBくらいコピーを終えた所でPCから「テトン」と接続が切れる音がして、何かと思ったらコピー元の旧HDDが落ちた様子。
長時間コピーでHDDが高熱になるとこう言う事はよくありますが、そもそも冷却しながらコピーしてるので不思議だなとは思いつつ再起動。(普通は再起動すれば認識します)
すると「ドライブを使うにはフォーマットをする必要があります」と言うウィンドウが現れ、
キャンセルしても、
「このボリュームは認識可能なファイルシステムではありません。
必要なファイルシステムドライバーがすべて読み込まれているか、ボリュームが壊れていないか確認してください」
とエラー表示。
※ここで「ディスクのフォーマット」を選択してはいけません。
該当の外付HDDを抜き差しや別の外付HDDケースに入れても症状は変わらず。
■ドライブパスを変えて認識するか試みる
「ディスクのドライブレターを変更すると認識する場合がある」と言う情報もネットに有ったので、
コンピューターの管理からディスクの管理を開き、ドライブ文字とパスの変更を試行。
状況変わらず。死んだ😇
チェックディスク(chkdsk)で自動修復を試みる
チェックディスク(chkdsk)と言うHDDのファイルシステムに破損や異常が無いかをチェックして自動修復を試みるツールがありますが、
①Win+Rキーを同時に押し「ファイル名を指定して実行」のウィンドウを開く。
②「cmd」と入力しコマンドプロンプトを起動。
③「chkdsk d/f」を入力し、Enterで実行。
※3番の「d/f」のdはドライブパス(Dドライブ)です。上の画像のようにエクスプローラー上でドライブが認識している場合はそのドライブパスにして下さい。
例:ドライブが「E」の場合→「chkdsk e/f」※チェックディスク(chkdsk)が半日以上経過しても終わらないような場合は重度障害の可能性が高いです。出来るだけアクセスをしてないタイミングで強制的に電源を切って下さい。
今回のHDDでは修復できませんでした🥺
■ハードディスクの障害度を推測
この旧HDDはデータをコピーする時しか起動しなくて、せいぜい月に1~2度程度、購入して3年も経ってなく、異音がする訳でもなく、HDDの状態を監視するソフト「CrystalDiskInfo」でも異常は出てなかったので、ボリューム情報の破損と推測。
(デバイスマネージャーやディスクの管理から存在は確認出来るので「物理障害」の重度ではなく、物理障害の軽度、若しくは論理障害)
■復旧ソフトを使用する
そこで、以前「誤ってフォーマットしてしまったSDカードを復元」するのにも役立ったEaseUS社の「Data Recovery Wizard」と言う復元ソフトを使います。
jp.easeus.com
無料版でも「2GB」までのファイルなら復元出来ます。
無料版でも全スキャンが可能なので、目的のファイルが見つかってから有料版を検討する事も出来ます。(有料版は約1万円弱です。2024年夏現在)
通常、データを「削除」してもデータ自体はメディア上に残っており、そのデータがあった場所に他のデータが書きこまれない限り残り続けています。
この手のソフトはそれらを解析して復元してくれると言う有り難いものです。
尚、OSの入ったディスクの場合は電源を入れるとこのようなメッセージ画面になるかと思います。
Non System Disk or Disk Error |
(メーカーによってニュアンスが若干異なります)
このような場合、OSの復元は出来ませんが(OS自体は再インストールになる)Cドライブに保存した「マイドキュメント」や「デスクトップ」などに保存しているデータは復元できる可能性が高いです。
認識しなくなったドライブがブートHDD/SSDの場合、復元には動いている別のパソコンが必要です。
認識しなくなったドライブを外付HDDケースに入れ、稼働するWindowsPC上で「EaseUS Data Recovery Wizard」を起動して下記のように解析します。
起動すると接続されているドライブが全表示されるので該当のドライブを選択「スキャン」します。
すると全セクターをスキャン開始します。
解析が出来た部分から左のウィンドウに解析が完了したファイルから復元可能なものが表示されていきます。
「ゴミ箱から誤って削除してしまったデータ」の復元なら見つかり次第 作業開始で良いですが、今回はHDDのボリュームが壊れて全部消えてるので全領域スキャンが終わるまで待ちます。
8TBのHDDをフルスキャンなので画面に書かれてる「推定時間:30時間以上」は本当で、それ以上の時間が掛かります。35時間くらい掛かったと思います。
なお、スキャン中はかなり熱くなるので冷却ファン搭載のHDDケースや、USBファンなどを用い、冷却対策は万全にして下さい。
こちらのUSB接続のファン、便利です。
HDDやPS4の冷却に『USB-FAN』がコスパ良くてオススメ!
解析後は別のHDDにデータをコピーするので同容量以上の保存先を確保して下さい。
(8TBのうち6TB復元させたいなら6TB以上の空きがあるHDDを用意)
そして、一度に復元させようとすると途中で止まったりエラーが出ても良くないので(解析を一からやり直しになる)解析完了後はウィンドウバー右上の「スキャン結果を読み込む」からスキャン内容を保存可能です。
保存しておけばパソコンの電源を落としても数日に分けて復元する事も可能ですし、復元先のHDDが複数に跨っても復元可能です。
(すべてを一度にやるとHDDに負荷が掛かるので避けた方が良いです、フォルダ単位で分けた方が良いです)
尚、注意点として違うポートや違う外付HDDケースに接続して「保存したスキャン結果」を読み込むと「違うデータ」と言われて読み込めなかったのでご注意下さい。
復元は「ディレクトリの維持」からフォルダ階層を潜り、フォルダ毎に行うと良いです。
ウィンドウの「スキャン結果」の総容量、18.81TBとありますが、HDDは8TBで、7.8TBくらい使用です。
大きなファイルが多数のセクタを跨いで保存されている場合に重複して参照されてるものだと思います。
幾つかのフォルダを選択し「復元する」を実行すると保存先HDDへの復元が開始します。
復元先は作成したフォルダの下に「Recovered」と言うフォルダを生成してその中に作られたのでHDDのルートを指定しても大丈夫です。
指定したフォルダ内の復元が完了するとこのように結果が表示されます。
復元できなかったファイルがある場合はこのように表示され「詳細」を押すと
「Recovered」直下に生成された「RecoveryFailed.html」と言うファイルを参照します。
「RecoveryFailed.html」の中身
予測される理由:
1. 記憶デバイスの空き容量の不足
2. 復旧パスが長すぎるため
3. ファイル名に文字化けが含まれている
4. セクターの読み取り場所がソースパーティションの合計セクター数を超えている
5. 正しいストレージセクターの場所が見つからない
6. 復元したいデータ量は無料額度を超えています。
7. その他の不明な理由以下は、復元に失敗したファイルです。
番号 名前 サイズ 更新日時 種類 フォルダ
1 sample1.mp4 206.41MB 2021-04-06 18:10:42
Local Disk (D:)/Lost Files/Directory Intact/sample1.mp43 sample3.m䬀@ ù䘀Sᴀ8䠀Êᴀz䜀Æᰀ 183.01MB 2021-03-28 04:10:02
Local Disk (D:)/Lost Files/Directory Intact/sample.m䬀@ ù䘀Sᴀ8䠀Êᴀz䜀Æᰀ
「1」のように保存先に空き容量が無い場合は仕方ないですが、
「2」は元からファイル名の長いファイルの場合に起きやすいです。
例えば、長い名前のアニメを仮定して、「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」の1話の録画ファイルがあるとします。
ファイル名は【真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 第2期 第01話 「スローライフな旅をしよう」.ts】こんな感じ。
そこにフォルダの階層を幾つか作るとして
【アニメ】
↓↓
【2024年】
↓↓
【真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 第2期】
のようにフォルダを潜り、その中にファイルを置くと仮定します。
ファイルパスが非常に長いのでWindowsのファイル名の長さの制限が255文字までなので、
【/アニメ/2024年/真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 第2期/真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 第2期 第01話 「スローライフな旅をしよう」.ts】
これでだいたい250文字になります。(長すぎるw
復元時は「Recovered」と言うフォルダの中に復元されるので、
【/Recovered/アニメ/2024年/真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 第2期/真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 第2期 第01話 「スローライフな旅をしよう」.ts】
となり、より長くなってしまうので復元されない事があります。
復元失敗の表示が出たらエラー内容を確認してみて、ファイル名の長さ原因のものがあれば1つ1つ、HDDのルートなどに復元してみて下さい。
また、上でも少し触れましたが、全スキャンをした際に重複して復元参照されるケースがあります。
そう言ったものは復元時に同じ場所に復元されるか、1つ前の階層に同じファイルが復元され、重複ファイルは末に「_0」のような追記が入るので、「_0」をエクスプローラーで検索して、1つ1つチェックして行けば解決すると思います。
尚、エラー情報を吐き出す「RecoveryFailed.html」ですが、復元の度に同じ場所に同じファイル名で上書きしてしまうので、復元の都度、ファイル名に「1」など追加して上書きされないようにして下さい(エラー情報が分からなくなるので…;)
あと、極端に大きなデータはセクタをいくつも跨ぐのでうまく復元できないケースがあります。
このスクショは4Kやブルーレイの動画で、本来違う拡張子で2種類あるハズですが何故か二重に解析結果が出てました。
データとしてはこう言った極端に大きなものを除けば、ほぼ復元出来ていると思われます。
全スキャンして全復元をすると、8TBから8TBに復元してるのに容量が足りません。
上で挙げた通り一部重複して復元を始めるので元の容量以上のHDDを念のために用意しておいた方が良いと思います。
(感覚としては全体として1割くらい余計に食いました)
「スキャン結果を保存」して置けば何回かに分けて復元出来ますし、容量が足りなくなったら別の復元先HDDを接続して再開する事も可能なので「スキャン結果の保存」を強く推奨します。
今回は新調した8TBのローレベルフォーマットに30時間食い、
正常にコピー出来た約4TBは16時間くらい、
認識しなくなってデータ解析に40時間食い、
残りの約4TBの復元にも解析と同じくらいの時間を食いました(;´Д`)
だいたい1~2週間ずっとデータコピーしてたのでUSBファンでHDDを冷やすか、冷却ファン搭載のHDDケース以外でやると途中で壊れるんじゃないかなぁと思います(笑
そろそろブルーレイへのデータバックアップを再開しようと思ってた矢先の出来事で、かなりメンタルに来ました(;´Д`)
皆さんも突然HDD/SSDが認識しなくなる事はあると思うので、その時はこのブログを思い出して再訪して貰えると嬉しいです。
(ブログまでたどり着ければあとは「ブログ内検索」で「HDD 復旧」とかで検索すればこの記事は出て来ます)