「PlayStationやSwitchなどのTVゲームの映像を録画・ スクショ出来たら良いな」と思う事、ありませんか? テレビ画面をスマホで撮影して記録すると言うのが一番シンプルですが、如何せん画質や音が悪い。 そこで便利なのがテレビゲーム機やレコーダーのHDMI端子から直接取り込みの出来る「HDMIビデオキャプチャー」 と言うガジェット。 一昔前の「ゲーム機などを赤白黄のケーブルでビデオデッキやHDDレコーダーに接続して録画するヤツ」のハイビジョン版ですね。
-------------------- <昔ばなし> ※20年ほど前(2000年前半)の製品。TVチューナー内蔵でアナログ波のTVを録画・取込も出来ました。RCA端子からゲーム機やビデオデッキに繋げばそれらも取り込めます。 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0111/canopus.htm ※10年くらい前(2010年以降)になるとワンチップ化されてシンプルで安価な製品になりました。現行商品で3000円ちょっとで購入出来ます。 https://www.iodata.jp/product/av/capture/gv-usb2/ 何れも「アナログ映像」を取り込む装置なのでコピーガードの類はありません。昨今の「デジタル映像」はだいたいがコピーガードが掛かってます。 -------------------- ゲームのプレイ動画を録画したり、HDMI搭載のビデオカメラやデジカメをWEBカメラのように扱う場合は特に気にしなくて良いですが、通常、DVDやBlu-ray等はHDCPと言うコピーガードが掛かっていて対応している機器同士じゃないと表示できません。 特に「キャプチャ」系の機器は取り込み出来ないものですが、昨年末(2020年)くらいから話題になってる「激安HDMIビデオキャプチャー」は「パススルー出力」に対応しているのと「HDCPをスルー」します(笑 いろんな意味で大丈夫なんですかねこれw DVDやBlu-rayのHDCPな話は置いといて、今回はゲームのプレイ動画をパソコンに取り込もうと思い購入してみましたヽ( ^ω^)ノ(尚、PS4/PS5では「SHAREボタン」を2回押すと動画で録画出来ます※Switchは30秒間のみ可能)
今回の購入のキッカケは、先日、秋葉原のパーツ屋さんの つぶやきが流れて来て、
HDMIキャプチャの上位機種はいくつか検証してるのですが、これを性能で上回るものがないんです。結局のところこれが一番。 そして故障率も限りなくゼロに近く、当店ですでに4桁の出荷してますがほぼ不具合はありません。
プロが言うなら確かなんだろうな、と思いながら価格をのぞき込むと、あまりの激安に驚きΣ(゚Д゚;) 映像機器って、それなりのお値段と言う認識でしたが、ここまで価格破壊が進んでいたとは…と言う感じですね。 箱の中身は「本体」と「英語と中国語の説明書」のみ。 ケーブルやドライバ類のソフトは一切付属してません、明らかに玄人向け(笑 《もくじ》
外観と分解
本体外観 HDMI差込口とUSBポートが両端に付いてます。 本体は金属製で放熱効果が期待できます。 分解 メインチップは「MS2109」 デバイスマネージャー 「FY HD Video」と「FY HD Audio」、PCに挿すと自動で認識します。
動作アプリ
フリーウェアの「OBS Studio」と言うキャプチャーアプリで動作するとの事。
https://obsproject.com/ja
他にもWindows10標準の「カメラアプリ」で表示する事が可能です。(これは「PCエンジンミニ 」を表示しています) (デジカメをWebカメラ化の場合、HDMIビデオキャプチャーをPCに挿して「カメラアプリ(またはskypeなど)」を起動すればこのように簡単に表示出来ちゃいます) 話を戻して「OBS Studio」、 インストール後に「キャプチャ用途」か「配信用途」かの初期設定があります。 【取り込みたい機材】→【HDMIビデオキャプチャ】→【パソコン】の順で接続されてる状態で、「OBS Studio」ホーム画面の「ソース」から「追加」を押して、 次に「映像キャプチャデバイス」を選択します。 次の設定でデバイスから「FY HD Video」を選択し「OK」します。 すると、映像が表示されるようになります。
次に音声の設定です。 同じように「OBS Studio」ホーム画面の「追加」を押して「音声入力キャプチャ」を選択。 すると「ソース」タブに「音声入力キャプチャ」が増えます。 この時点で音が出ない場合は中央の「音声ミキサー」の「音声入力キャプチャ」の「歯車」から「オーディオ詳細のプロパティ」を選び「音声入力キャプチャ」の「音声モニタリング」で「モニターと出力」を選ぶと音声が反映されます。 あとはホーム画面右側のコントロールから「録画開始」を押せば即座に録画開始されます。 保存先は「ファイル」→「設定」の「出力」から「録画ファイルのパス」で確認変更できます。 この項目で録画画質(配信と同等、高画質、超高画質、非圧縮)と録画フォーマット(flv、mp4、mov、mkv、ts、m3u8)などを選べます。 さて、出来上がった動画ですが、想像以上に高画質です。 購入価格を考えると驚きを隠せません(笑
VIDEO リンク先Youtubeで1280x720 60fpsで視聴出来ます。(1920は使用してる変換アプリが60fps対応してなかった😇)
音声に関しての仕様
ただ、音がなんだかモノラルっぽい 感じがします…。(※上の動画は下記の方法で修正してUPしてます) 実際、音声のバーが1本なのでモノラルのようです。
音声をステレオにする方法
購入元のパーツ屋さんのページに書かれてましたが、
処理には「MS2109」という専用チップを使っており、これで検索することで各種情報が入手可能
とあったので、さっそくグーグル先生に「MS2109」と入力した所「MS2109 ステレオ」と候補が出る始末(笑 どうやら「MS2109」と言うチップには「48kHz ステレオ」の音声データが左右結合してしまい「96kHz モノラル」になってしまう致命的なバグがあるそうです。 もう少し調べてみると、このバグを元通りに復号するアプリを作った方がいらっしゃるそうで、感謝しかない(゚´Д⊂ヽhttps://github.com/ToadKing/mono-to-stereo このアプリ、使用方法にとてもクセがあって、(私の)「OBS Studio」の初期設定が間違ってたのもあってか、数時間 悩んだので、備忘録としてここに書いておきます。 使用方法ですが、これはWindowsアプリではありません。DOS用アプリ です。 なので、コマンドラインで入力していきます。
まず解凍した「mono-to-stereo」をコマンドプロンプトで入力しやすいように「C:\cap」 に配置します。 「ファイル名を指定して実行」から「CMD」または、スタート>プログラム>Windowsシステムツールで、コマンドプロンプトで起動します。 DOS窓で cd\↩ cd cap↩ と入力したら、「mono-to-stereo.exe --list-devices」 をコピーして、DOS窓上で右クリックし(勝手に貼り付けられます) エンター(実行)します。
すると「再生デバイス」と「録音デバイス」の一覧が表示されるので、
下図のようにデバイス部分を選択し、「CTRL+C」を押してクリップボードにコピーします。 次にメモ帳にクリップボードの文字例を貼りつけて、文字例を編集します。 コマンドラインが「mono-to-stereo.exe --in-device "録音デバイス名(HDMIビデオキャプチャ) " --out-device "再生デバイス名(パソコンの音源名) "」 となるので、上でコピペしてきた文字例に差し替えます。 我が家の場合、 Active render endpoints found(再生デバイス) スピーカー (Realtek(R) Audio)
Active capture endpoints found:(録音デバイス) デジタル オーディオ インターフェイス (FY HD Audio) と表示されたので、下記ようにコマンドラインを編集します。
「mono-to-stereo.exe --in-device "デジタル オーディオ インターフェイス (FY HD Audio) " --out-device "スピーカー (Realtek(R) Audio) "」
日本語が含まれてて不安しかないですが合ってます (笑 このコマンドラインをメモ帳に貼りつけて、最後に《改行》 を入れた全2行のファイルを作ります。 ファイル名の拡張子を「txt」から「bat」に変更すれば専用の起動ショートカットの完成です。(※Windowsの設定で「拡張子を表示する」になってないと変更出来ません。エクスプローラ>表示>ファイル名拡張子)
バッチファイルを実行すると「OBS Studio」を起動していなくても「mono-to-stereo」側で「デスクトップ音声」として音声が鳴り続けます。※「HDMIビデオキャプチャ」を挿すUSBポートを変えるとデバイス名が「2 デジタル オーディオ インターフェイス (FY HD Audio)」のように変わってしまうので挿す場所は変えず、鳴らない場合はそこを疑って下さい。 改めて「OBS Studio」を起動し、メイン画面下の「ソース(映像キャプチャデバイス等)」をいったん全て削除し、再設定します。 また、設定の音声では「デスクトップ音声」が「既定」になってるのを確認して下さい。 それ以外の音声デバイスは「無効」で良いです。 すると「音声ミキサー」の「デスクトップ音声バー」が2本になり、個別に動いてるので「ステレオ」である事が分かります。
音声の遅延が起きる場合の解決方法
「HDMIビデオキャプチャー製品共通」ですが、映像と音声がズレる事があります。これは「OBS Studio」側の設定で「オーディオ詳細のプロパティ」の「同期オフセット」を「-5ms~-8ms」くらいで目視で口パクが合う所に微調整してみて下さい。
最後に/他の製品
ドングルタイプの安価な「HDMIビデオキャプチャー」は何れも「MS2109」が搭載されてる可能性が非常に高いです。 なので「mono-to-stereo」のような調整を行わないと【音声がモノラル】になります。(製造後にこのバグが発覚して「MS2109」が捨て値で流通したんだと思います) ただ、配信やWebカメラ用途では別に高音質なマイクを用意するだろうし、用途によってはモノラルはあまり気にならないと思います。 Amazonでベストセラー1位になってるコチラもそのようです。(本レビューのモノと異なりUSB3 接続なので速度的な安定感はある模様)
【1800~2400円くらい(2021年春現在) 】電源不要、ゲーム実況生配信、画面共有、録画、ライブ会議に適用 小型軽量 Nintendo Switch、Xbox One、OBS Studio対応
また、HDMIをUSB変換する際に若干遅延 するので、格闘ゲームやFPSゲームを実況しながら録画や配信するのには、上記の製品ではちょっと向いてません。 その場合は「テレビ側にHDMI出力するポート」 を有している上記の上位製品をオススメします。
【5000~6300円くらい(2021年春現在) 】ゲーム実況生配信、画面共有、録画、ライブ会議に適用 小型軽量 Nintendo Switch、Xbox One、OBS Studio対応
【18000円前後(2021年春現在) 】※HDMI、USB Type-C、ヘッドフォン端子搭載(ゲーム録画&編集、フルHD、SD&PC保存)※ハードウェアエンコードでPCへの負荷が低いので実況や配信に最適
その他、液晶搭載 でパソコンがなくても気軽にゲーム機やビデオの映像を録画できる 製品もあります。
【12000円前後(2021年春現在) 】※HDMI 液晶搭載、PC不要、ゲーム録画&編集、フルHD、SD&HDD保存、ヘッドフォン端子搭載
用途に合わせて検討してみて下さい。 <追伸> 冒頭部触れた「DVDやBlu-rayの表示」ですが、PS4でBlu-rayを再生、HDMI Video Capture経由でPCに表示した所、普通に表示されますね。 参考文献・OBS Studioの詳しい使い方・設定方法 - 新・VIPで初心者がゲーム実況するには ・OBS Studioでゲーム音・PCの音が出ない、流せないときの対処法:VIPで初心者がゲーム実況するには・激安HDMIキャプチャーデバイスは使い物になるのか?:Engadget 日本版 ・MS2109の格安HDMIキャプチャでステレオ音声キャプチャする話、Windows編:KILINBOX ・最近よく見る 1000 円くらいの HDMI キャプチャーカードについてのメモ:polamjaggy nikki ・MS2109で有名なバグ、ステレオの音声がモノラルになるのを修正するアプリ